どうしてお星さまはできるのですか?(2011年8月)

2011年8月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

今月は、天の川がよくみえると期待される季節ですので、お星さまの話をしようと思います。

宇宙についてのいろいろな謎、疑問を人間は持っていると思いますが、そのなかでも急に聞かれて、すぐには答えられない、答えにくい疑問、質問が結構あります。その代表的なものの一つに「どうしてお星さまはできるのですか?」という質問があると思います。皆さん、少し考えてみてください。どうして星はできるのでしょうか。星はたくさんあります。空をみると、いまの大都会では無理かもしれませんが、5万どころではなく、無数に星がみえます。このような星が宇宙でできるのは、非常に必然性があるのです。

まず、宇宙には水素を主成分とするガスが満ち満ちていて、この水素は質量を持っています。水素は、だいたい1cmの辺に1億個ぐらい並べるとちょうど良い並びになり、角砂糖1個分ぐらいの体積を埋めると、だいたい0.何gの人間が感じられる重さになります。実際、水素には重さがあり、宇宙の物質の大部分はこの水素で成り立っていますので、ある重さ、質量を持っているわけです。

そして、宇宙の基本的な法則の一つに「万有引力の法則」があります。これは、ある質量を持っている物質同士の間には、例外なく引力が働くという法則です。ですから、宇宙の水素と水素の間には、必ず引力が働いていまして、星ができる一番基本的な理由は、この引力です。引力の働き方は距離によって大きく変化し、もちろん距離が近いほうが引力は強く働きます。2つの水素と水素の距離が10分の1になると、お互いの引力は102倍、つまり100倍、強くなります。つまり、水素同士がある距離に接近することによって、引力の大きさは急激に大きくなっていくわけですが、基本的には、この重力、万有引力の存在が、宇宙空間で水素同士をかき集めて、星を作っていきます。

ただ、それだけでは理解できない、解決できない、説明が付かない、いくつかの謎があります。例えば宇宙全体をみると、太陽のようなお星さまは群を抜いて数が多く、なぜ宇宙は太陽と同程度の星を作りたがるのか、その背景には何があるのかということが、基本的な問題の一つになります。

その答えの一つはガスの圧力にあるという考え方があります。ガスの圧力は、結局は温度です。ガスは星からのいろいろなエネルギーを受けて温まり、またガス自体が電波、あるいは電磁波を出して冷えていきます。この温められることと冷えることのバランスで、星の原料である水素ガスの温度は決まり、決まった温度が与えられると、その圧力が決まります。そして、その圧力に見合った、「最低限、これだけの重力が必要だ」「引力が必要だ」という数値が出てきます。それを大雑把に計算すると、だいたい太陽と同じ程度の質量がないと、ガス雲はどうしても星にはなりきれないという答えが出てきます。

ですから、そのようなエネルギーのバランス、万有引力の存在が、太陽を作り、宇宙全体の星の形成の仕組みの、いわば背景に流れています。そのような星ができなければ、実はその周りの小さな惑星である地球もできず、我々人類も発生しなかったということは、大変はっきりした理解として共有できるのではないかと考えています。宇宙の研究は、このような基本的な問題も含めて、人類の起源をさらによく理解するための追究を、休まず、弛まず、続けています。

どうもありがとうございました。

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