若者達の夢を育てる(2011年10月)

2011年10月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

きょうは少し趣向を変えまして、子供のお話、あるいは子供時代のお話をしてみたいと思います。

私は小さい頃、北国の秋田市内で過ごしており、特に小学校3年生前後が大変思い出深い年齢の頃です。その頃、いろいろな雑誌、あるいは本を読んで、自分は将来何になろうかということを考えていまして、私の結論は「天文学をやろう」ということでした。すべからく好奇心を持って、いろいろなことを考えたいと思いながら小さい時代を生きていましたが、「地球上で一番、物事をよく、深く理解できる存在になるには、どうしたらいいのだろうか?」ということを子供心に考え、そして得られた結論は「宇宙を研究しよう。宇宙を知ることによって、森羅万象、世の中を一番よく理解できるのではないか」ということでした。それ以降は、ある意味で一直線の人生を歩んでくることができたというふうに思っています。

そして、小さい頃の記憶は、どんどん風化していってしまうわけですが、いろいろ辿っていきますと、いくつか思い出されることがあります。一つは大人の世界と子供の世界のギャップというのでしょうか、大人はどうしても子供の小ささ、幼さをみて、「あまり知性のある生き物ではないのではないか」と思いがちです。大人の頭には「何だ、子供のくせに」という思いが、まず浮かんでくるようです。ただ、小さい頃の私からみますと、私は私なりにいろいろなことを考えていたわけで、大人が話の中身も聞かないうちに子供だと思って無視する、あるいは馬鹿にする、軽くみるということに遭遇し、大変不満に思ったことを、かなりよく覚えております。

その反映として、いま私がその年代のお子さんと接するとき、決して彼らの言葉を無視する、あるいは軽視することのないようにしたいと思っています。私は月に1回、あるいは何回か、いろいろなところで講演会を行っておりますけれども、例えば小学校3年生や5年生の子供達が結構聞きに来てくれます。

先日も「福井教室」を行いましたら、100名ぐらいの聴衆、参加者のなかに、小学校5年生の男の子が、お母さんと一緒に聞きに来てくれました。実は2週間ほど前に、お母さんから「行ってもいいものでしょうか?」というご相談の問い合わせがあり、「大歓迎ですから、ぜひ来てください」とお話ししました。彼には講演の最中に檀上に来てもらって、いろいろみんなの前で会話をしました。大変意識の高い、とてもよく考えている、立派なお子さんだと思いました。そのときの講演会、講義は彼の質問を軸にして進めたのですが、やはりいつの時代にも将来に向かって高い意識と志を持った小さな子供が、相当数いるのではないかと私は思います。

そのように次の世代を担うべき若者達の夢をさらに育てる役割を果たしていきたいと常々思っていますので、一言一言、決して粗末にすることなく、子供達との真剣な対話の時間を作ることを、これからもぜひ心がけていきたいと思う、きょうこの頃です。

ありがとうございました。

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