国立大学の将来(2010年1月)
2010年1月度のビデオメッセージ
皆さん、あけましておめでとうございます。ことし初めのメッセージをお伝えしたいと思います。
きょうは高等教育の予算の問題をお話ししたいと思います。
すでに国立大学が法人化されて5年の月日が流れてしまいました。そのことによって、それと連動して、国立大学に配分されてきた予算が、実は年々、着実に減少しています。これは本当に大変な問題だと思います。5年を経て、そのことがマスコミ等でもあまり取り上げられなくなってきているのではないかという気がいたしますが、毎年毎年、ある割合で着実に減少してきております。
これは東大を含めた比較的大きなところもさることながら、特に各地方都市の国立大学に非常に深刻な打撃を与えているといっていいのではないかと思われ、将来の日本の国の姿を考えるうえで非常に重要な問題です。各地方都市は、これから日本の将来を担っていくわけですが、そこにどのような形で働き手として人々が供給されているのかということを考えてみますと、やはり各地方の大学で特色を持った教育を行い、そこから育ってきた若い人達が地方の行政を担うというのが、最も自然な姿ではないかと思います。それに対する教育的なケアがどんどん弱くなっていっているということなのです。
ことしはもう一度、国立大学の将来を国民一人一人の問題として捉え直し、予算措置をどのように考えていくのか、これから大学を国民一人一人にとってどのようなものにしていかなくてはいけないのかということをしっかりと考え、できれば施策につなげていくということが大きな課題になると思います。
どうもありがとうございました。