今年の抱負:集団における人事の大切さ(2009年1月)
2009年1月度のビデオメッセージ
2009年の新年、1月、最初のメッセージをお伝えしたいと思います。
昨年一年間はいろいろなことがありましたが、ことしはどういう年になるか、私達一人一人の意思の力が大切な年になるのではないかという気がしております。人間の集団、人のグループを「社会」や「世間」と呼ぶわけですが、これをどう切り盛りしていくか、運営していくかということは人間の力量にかかっています。
大学の研究室あるいは研究グループをとってみましても、一番大切な事柄は何かというと、人事なのです。人の問題です。研究者の集団の場合、特にどれだけ公正に人の力を量って良い人事を進めていけるかということによって、大学あるいは研究グループの将来の方向が非常に大きく左右されます。ですから、新しい人を求めたり、新しい研究グループを立ち上げるときには、いかに一人一人の研究者が勇気を持って、見識を持って、その人事に当たることができるのかということに大変なエネルギーを注がなくてはいけないと私は考えております。これは言うは易く行うは難しでありまして、大変難しい問題です。人事は、うまくいく場合、うまくいかない場合、さまざまですが、そのようなものに対して、いかに研ぎ澄まされた目と洞察力を持って個々の人事に対処するかということに力を注ぎたいと思っております。
実は私の研究グループも、ここ数カ月、同僚達が新しい研究所、あるいは新しいポジションに移って大変大きく変動していますが、これはある意味、大きなチャンスなのです。人間はどうしても、いままでやってきた感性、あるいは惰性の場合もありますが、それに基づいて比較的イージーな道につきやすいのです。それを常に自ら戒めていかなければなりません。私は常々、積極的に新しい可能性、新しい人材、新しい結びつきを求めていく姿勢をキープしたいと考えています。
ぜひことしは私達の研究グループにとって、また名古屋大学にとって素晴らしい人事を行って、より大きな飛躍を遂げる一年にしたいと念じながら1月を迎えた次第です。
皆さん、どうもありがとうございました。