名古屋大学の個性(2008年12月)

2008年12月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。ことし最後の12月のメッセージをお伝えしたいと思います。

年末になるといつも思いますが、本当に一年があっという間に経ってしまいます。ことしも10回ほど海外に出張いたしまして、また何回か名古屋大学で国際会議等を開催しまして、いろいろな国の方々と交流することができ、特にそのような意味で実りの多い年でした。その分、忙しさも一段と増した一年だったという気がいたします。

いまの日本の学問の状況を考えますと、特にことし大きかった出来事は、名古屋大学の関係者が3名、物理と化学の分野でノーベル賞をいただいたことだと思います。日本国民の方々のなかには「なぜ名古屋大学なのか」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんけれども、私は20数年、名古屋大学で研究、教育をしてまいりまして、またいろいろな国の方々と研究上の交流をしておりますと、確かにこの10年、15年で名古屋大学の基礎研究の水準、そしてその認知度が大変高まっている気がいたします。

名古屋大学は比較的コンパクトな大学で、旧七帝大のなかで一番小さいのですね。例えば、東京大学、京都大学等と比べますと半分以下のサイズです。しかし、その分、大変コンパクトで機動性があり、新しい学問の分野を自由に創始していく気風にあふれた大学ではないかという気がいたします。

もちろん、弱い点もいくつかあります。例えば、文系の先生方の数が少し少ないということがあります。これから名古屋大学の大きな課題の一つとして克服し、総合大学として胸を張って世界に出ていけるような大学にしていきたいものだという思いを持っているきょうこの頃です。

以上で今月のメッセージとさせていただきます。ありがとうございました。

【キーワード】 大学研究・観測