教育者としての責任(2014年5月)
2014年月5度のビデオメッセージ
皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えします。
私も大学の教職員の一人として、長年、教育に携わってまいりまして、人に教える、人を教育するということは大変難しいことだなと、つくづく思っております。30年あまり、ずっと教育してきましたが、振り返りますと最初の10年、あるいは15年は、教員として未熟であったと思わざるを得ません。いろいろ反省すべきこともあったような気がいたします。30年前後を経て、ようやく教育者として何がしかの責任を全うできるようになってきたのではないかと実は思っております。
4月には新人が研究室にまいります。ここ20年以上にわたって、毎年4月には、新しく来た学生諸君と1対1で面談することにしています。だいたい一人20~30分ぐらい、いろいろなお話を聞きます。それぞれの学生が、いったい何をしたくてこの研究室に来たのか、心配事は何か、これからどのような人間になりたいと思っているのか、そのようなことを1対1で聞いています。非常に必要なことではないかと思っております。
そして、教育というものは、教員、特に研究室をリードする立場にいる私のような人間が、どのような背中を学生諸君にみせるのかということが、一番基本ではないかという気がいたします。どのような高い志を持って研究に取り組むのか、そして教育に取り組むのか、一つもゆるがせにできません。常に全力投球をしながら、高い目標を持って教育に取り組む姿勢を、ちゃんと学生諸君が感じてくれないと、やはり教育という大変難しい営みはなかなかできないのではないかという気持ちが、つくづくいたします。最近、ようやくそのような意味での教育の成果が、多少は予想できる範囲で可能になってきたという気がいたします。
4月、5月は非常に新緑が目に痛い季節であります。ぜひこれから一年、学生諸君が大変希望に満ちた、そして、実りのある時間を共に過ごしてくれるといいなと思っております。
どうもありがとうございました。