人生を築いていくために（2014年6月）

2014年6月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

きょうは特に若い方、学生の方々にメッセージを送りたいと思います。

私も学生時代を送り、人間はどのように自分の人生を切り開いていくのかということを考えました。私がいくつか試みたことがあるのですが、そのうちの一つは、例えば1年後、あるいは5年後、さらに10年後に、自分はどのような存在になっていたいのかというイメージを作り、それと現時点の自分自身を比較することです。そうすると、例えば足りていないところ、もっと力を入れて力量を蓄えていきたいところ、そのような課題がかなりはっきりとみえてきます。ある意味、逆算するわけです。つまり、5年後にこのような存在になっていたいというところから時間を逆転させて現在までつないでいくと、どのようなステップで自分の人生を築いていかなくてはいけないのかということがみえてくるといってもいいかもしれません。ぜひ若い学生の方々には、そのような目で自分の人生をもう一度見つめ直し、構想を立ててみることをお勧めしたいと思います。

そして、そのようなときに一つ役に立つことは、やはり先輩の足跡です。例えば研究者の場合であれば、自分が憧れる、あるいは目標とする優れた研究者が、自分の年頃にどのような力を身に着け、どのような努力を重ねていたのかということに思いを馳せてみるということです。あるいは「ロールモデル」という言葉で呼ばれるのかもしれませんが、常に優れた先輩を具体的に頭のなかに置き、あるいは自分の眼の前に見据え、そして自分自身の足跡を確認していく、そのような努力の積み重ねのなかで、若い方々の夢は、より現実的なものになっていくのではないかと思います。

そして、いまこの時点でも、実は私はいつも先をみて生きています。例えば1日後、1週間後、数カ月後、さらに数年後、何を目指して生きていくのか、そのために現在はどうあるべきなのかということを、いつも考え続けたいと思っています。

どうもありがとうございました。