デンマークで「宇宙100の謎」(2014年7月)
2014年7月度のビデオメッセージ
皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。
先月は北欧のコペンハーゲンに数日、行っておりました。コペンハーゲンという街には私も初めて行ったのですが、運河が巡っておりまして、運河を通るボートのツアーに参加しました。1時間ぐらいの短い船旅なのですが、大変気持ちの良い1時間を過ごさせていただきました。
デンマークではレストランにも何回か行ったのですが、少しびっくりしましたのは、大変物価が高いことです。伺ってみますと、25%が税金だそうです。そして、レストランの場合、サービス料が15%含まれておりまして、結局、40%の金額が積み増されているということだそうです。ですから、食事の度に少し高いなと思い、倍ぐらい払っているような印象でした。
本題は、何のためにデンマークに行ったのかということです。実はヨーロッパでは2年に1回、ヨーロッパ各地を巡り、EuroScience Open Forum(ESOF)という催しが開かれています。これはヨーロッパ各国が協力して資金を出し合い、公募によっていろいろな展示会を行うという試みで、私達は今回の参加で3回目になります。我々は「宇宙100の謎」というキャンペーンを行っていまして、これはパブリックから宇宙に関する謎を広く募って、それに対して私達専門家集団が回答するというものです。それも優しく、わかりやすく、的を得た回答をすることを心がけています。「宇宙100の謎」の展示は各国で行っていまして、ESOFの一環としても行っています。
丸2日間、展示を行い、来られた大勢のデンマークの方々と、宇宙についていろいろ英語で議論をいたしました。伺ってみると、やはり少し勉強した方は暗黒物質、ダークマターに大変関心が集中していまして、これはどうも世界共通の現象のようです。皆さん、大変熱心に、いろいろ質問されます。
それから、もう一つ、素朴なレベルでよく出てくる質問が「星はどのような形なのだろうか?」という謎です。天文学者は、星は普通、太陽と同じようにきれいな球形をしていると考えていますが、一般の方々が持っている星の形のイメージは、必ずしも球ではないようです。もっとでこぼこしていたり、場合によっては星形になっているのではないかというように、星に対する素朴なイメージを持っている方も少なくないということに、あらためて驚きました。星は万有引力と中のガスの圧力の釣り合いで、その形が決まります。最も安定な釣り合いの形状は球ですから、太陽の形が宇宙の星一般を代表する形であるということを、あらためてお伝えしておきたいと思います。
皆さんのなかにはFacebookをやっていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。実はここ半年あまり、「宇宙100の謎」もFacebookで活動しています。お暇な折に、一度ご覧になられてはどうかと思います。
どうもありがとうございました。