超大型電波望遠鏡「ALMA」完成披露(2013年3月)

2013年3月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。3月の初めに、私がお世話をする国際会議があり、メッセージをお伝えするのが少し遅くなってしまいました。誠に申し訳ありません。

実は、これから南米のチリに向かおうとしています。3月13日、皆さんもお聞きになられたかもしれませんが、超大型の電波望遠鏡、ALMA(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)の完成披露の祝賀会が、チリ、サンティアゴのさらに北の現地で行われます。世界から300名を超える人達が集まり、ALMA望遠鏡の完成を皆で祝う集いが行われます。

振り返りますと、ALMA望遠鏡に私が最初に関わりましたのは1997年です。もう十数年前になりますが、その頃、アメリカの人達、またヨーロッパの人達と議論を始めて、ALMAという非常に巨大なミリ波、サブミリ波の望遠鏡を作っていこうという方向が、国際的に合意されていきました。その後、私は10年ぐらいにわたって、国立天文台で持たれたALMA計画を推進する委員会の委員長を務め、微力ではありますが、さまざまな形でALMA望遠鏡を実現するために、私なりに大変努力をしてきました。そのような意味で、過去十数年を振り返りますと、大変感慨深いものがあります。

本当に昨年から、どんどんALMA望遠鏡の素晴らしい結果が出てきております。私自身が関係しているプロジェクトも、実は最近、ようやく最初のデータのパッケージが手元に入ってまいりました。大変わくわくしながら、ALMAの撮った新しいイメージで、星がどのように誕生しているのかという問題に対して、全く新しい角度で研究を進めていくことができる時代を迎えたのだなと、あらためて実感しています。

本番は、おそらくこれから2年、3年先です。3年ぐらいすると、本当にALMAのフルオペレーションということになり、わずか数分、あるいは数十分の観測で、これまで想像もできなかったような高い感度の詳しいイメージが撮られてきます。それによって、皆様方にも「宇宙はこのようになっているんです」ということを、いろいろな形でお伝えしていけるのではないかと考えております。

私自身の南半球での観測との関わりは、さらにその10年前の1987年に遡ります。当時、名古屋大学にあった口径4mの電波望遠鏡の次の計画をどう展開するのかということについて考えを巡らしていまして、南半球に2台目の、やはり口径4mの望遠鏡を持っていこうという計画を立てました。それによって世界に先駆けて、世界の先頭を切って南の空の開拓を進めていこうと心に誓い、実際にその「なんてん」望遠鏡計画は、それから8年後の1996年に達成できました。

1997年は、まさにその直後です。望遠鏡の移設が完了し、その次のステップとしてALMAの建設、実現に力を注ぎ始めた年が、1997年です。ことし、開所式を迎えるにあたって、大変大きな喜び、そして大きな興奮を感じております。また来月、新たなALMAの姿について、皆様にご報告できればと思っております。

ありがとうございました。

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