分厚い辞書を引く(2013年9月)
2013年9月度のビデオメッセージ
皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。
きょうは英語の辞書についてお話をしたいと思います。
皆さん、特に学生諸君は英語を勉強するときに辞書を引きますが、最近では、ほとんどの学生が電子辞書を使っており、あれはあまり感心しないといつも思います。やはり、これぐらいの厚さのきちんとした紙の辞書を使って、語学は勉強するべきではないかというご意見を申し上げたいと思います。
私は高校時代、先生に勧められ、これぐらいの分厚い研究社の中辞典を買いまして、非常によく辞書を引きました。英語の単語を勉強し、いろいろな文献を読むために、現在も同じ辞書を使っています。
紙の辞書の良いところは何かと考えてみますと、引きたい単語が書いてあるページを開きますと、その前後に関連する、例えば名詞であれば形容詞型、副詞型、あるいは関連する動詞などが、一度に視野に入ってくることです。それによって得られる言葉、あるいは単語と、その広がりの世界がみえてきます。研究社の辞書の場合は、同時に大変良い特徴がありまして、使用例、例文が出ています。例文をいくつか読むと、「なるほど。この単語はこのように使うのだな」ということが、実例を通して納得できます。これが紙の辞書のとても素晴らしい効用ではないかと、常々、思っています。
単に一つの日本語に置き換えて、それで全部わかったような気がしてしまいますが、やはり言葉というものは生きています。ですから、「日本語ではこれに相当する」という一つの単語でも、英語のなかで使っていくときに、「このような場合は絶対に使わない」とか「このようなニュアンスの単語である」という情報が非常に重要で、それがないと適切にその単語を使うことはできないというケースが、ままあります。ですので、電子辞書は一見、便利なようですが、検索にある程度時間もかかりますし、言葉の広がりを全然みせてくれません。これは大変なマイナスではないかと思います。
いま電子辞書しか持っていない、あるいは紙の辞書はほとんど使わないという方々は、ぜひ一度、しっかりした紙の辞書で英語を勉強するという経験をされてはいかがでしょうか。
どうもありがとうございました。今月のメッセージとさせていただきます。